孔子(BC551〜BC479)
本名は丘、字は仲尼。魯国の人。
儒教の祖として、神格化されている聖人。
孔子の死後、弟子達が生前の師の言葉を編集して作った「論語」はその後、永くに亘って多くの人々に愛読されている。

論語の中で、私の好きな一節は、

「子曰、飯疏食飮水、曲肱而枕之、樂亦在其中矣、不義而富且貴、於我如浮雲」

「子の曰わく、疏食(そし)を飯(くら)い水を飲み、肱(ひじ)を曲げてこれを枕とす。楽しみ亦た其の中に在り。不義にして富み且つ貴きは、我れに於て浮雲(ふうん)の如し。 」

「先生が言われた、「粗末な飯を食べて水を飲み、腕を曲げてそれを枕にする。楽しみはやはりそこにも自然にあるものだ。道にならぬことで金持ちになり身分が高くなるのは、私にとっては浮雲のよう[に、はかなく無縁なもの]だ。」

ですね。

井上靖氏は著書「孔子」の中で、孔子が生前最も重んじていたのは『忠恕(思いやり)』であったと繰り返し述べている。